コラム

東京研修記 第1日目

去る平成16年10月12日、「WebのアクセシビリティJIS規格 実践ポイント研修」講座を受講してきました。
これは、Webサイトのアクセシビリティを高めるためのJIS規格(JIS X 8341-3)が、今年の6月20日に制定されたことを受けて開かれた講座で、これから「Webのアクセシビリティ」を基本に活動して行くうえで、習得しなければならない技術と知識です。

ということで、行って参りました東京へ。
車椅子利用者で常に身体的介助を必要とする私にとって、飛行機に乗って出かけることは、とってもとっても非日常。それも、遊びではなく「勉強」。初めての体験で、ちょっと頬がゆるむと同時に(私に講座の内容が分かるだろうか)とプレッシャーを感じつつ、出発の日は来た。

始発の東京行きに乗るため、朝7時に宮崎空港に到着。搭乗受付カウンターで、機内に乗り込むための小さな車椅子に乗り換える。毎回思うのだが、この車椅子は画一的すぎて自分の体に合わない車椅子利用者も多いのではないだろうか。狭い機内なので仕方ないことなのかもしれないけど、工夫の余地はまだあると思う。
それに、空港・航空会社によっては、飛行機の入口まで自分の車椅子で行き、直前で乗り換える選択肢を提示してくれる場合もある。実際、帰りはそうだった。
そして今回改めて、航空会社のスタッフの親切さに感謝。小さな車椅子で機内に入り座席に移る時、全てスタッフのかたが介助して(抱えて)くださった。ありがとうございました。

これが「パッセンジャーボーディングリフト」。こちらは、バスに乗り降りするためのリフト側。

東京到着。しかし外はあいにくの曇り空。午後からは雨が降るらしい。ぐすん。
羽田は発着便数が格段に多いので、宮崎空港のように全ての飛行機がターミナルに接続した連絡路を使えるわけではないので、一般の乗客は階段のタラップを降りてバスでターミナルへ行くことがある。今回がそうだった。そんな場合、車椅子利用者用に「パッセンジャーボーディングリフト」と呼ばれる車両が登場する。この車両は簡単にいうと、エレベーター付きリフトバスといった感じで、普通のバスでいう乗客が乗る部分が飛行機の搭乗口の高さまで上下するようになっている。
しかしこの車両、羽田に3台しかないらしく、利用が重なると使えない場合もあるという。そういえば以前、車両があいてないということで、人力でタラップを降ろしてもらったことがあった。

羽田に着いたら、次は講座会場までの移動である。車椅子利用者にとって、旅先の移動は頭を悩ませる問題(便利さ、料金など)の1つだ。だが東京は、宮崎と違って移動関係の公共機関が発達しているので、安い運賃と最短時間で移動でき便利だと思う。それに、旅行者の多いところなので、駅員さん達もとても親切で手慣れている。とりわけ障害者には親切な気もする。

写真東京では、陸橋や連絡路の途中に階段がある場合、体の不自由な人のためにエレベーターが併設されているのをよく見かける。

例えば、モノレールの改札口で「浜松町駅まで行きたい」と告げれば、駅員さんの案内でエレベーターに乗り、プラットホームに出るとスロープ板を持ってきてくれ、乗る段階になるとホームと乗り物の隙間を埋めるように板を渡してくれる。
そして、浜松町駅に着けば、ちゃんと連絡がいっていて、同じくスロープ板を持った駅員さんが出迎えてくれ、ドアが開くと板を渡してくれる。
これは、東京モノレールだけのサービスではなく、私が利用したことのある、比較的都会のJRなどもそうだ。
しかも、こんな至れり尽せりなのに、ほとんどの運賃が障害者割引で利用できる。ビバ!
車椅子からの移動にも介助を必要とする私にとって、車椅子に乗ったまま移動できる乗り物は非常に便利である。

そのモノレールで浜松町駅まで出て、そこからタクシーに乗って講座会場に到着。今回のメインであります。さて、勉強しますよ!
講座の内容としては、事前に購入して勉強したテキストを少し掘り下げながらなぞっていくという感じだった。
最後のほうで、アクセシビリティなホームページを作るためのチェックソフトの紹介があり、実際にそれを使って問題点を探っていく実践研修がなかなかおもしろかった。

ちんぷんかんぷんな講座じゃなくてよかったとホッとしながら会場を出ると、雨が強くなっていたので、タクシーでホテルへ行くことに。
タクシーと歩道の段差の位置が悪くて、乗車のため抱えてもらうのにまごついていると、サラリーマン風の男性が「僕が抱えて乗せてあげるよ」と介助を申し出てくれた。雨も降っていたし車も多い中、とても有難い申し出に甘えることにした。本当にどうもありがとうございました。関西弁をしゃべる救世主でした。

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